THE HISTORY OF MEGABASS メガバスルア−達の、歴史を紐解く。

SIGLETT BEATLE-X— 夏を制するメガバスの“虫” —

初夏から晩秋のバスフィールドにおいて、大きなウエイトを占める虫パターン。水面でもがくプラグめがけてビッグバスが浮上する様は、何度見てもエキサイティングだ。今回のヒストリーオブメガバスは、虫パターンにおけるメガバスの進化の歴史を紹介しよう。

ジャパンスタイルの虫パターン

スポーニングもあらかた終わり、湖や池の周囲が新緑で覆われると、いよいよ虫パターンのシーズンだ。水面に張り出した樹木やブッシュの下には、インセクトフィーダーと化したビッグワンが口を開けて待ち構えている。
この時期、セミやカブトムシなど、昆虫類を模したルアーでバスを釣るというパターンは古くから知られており、ポッパーやノイジー系のプラグを使ったトップウォーターゲームは古典的なテクニックのひとつに数えられる。オールドファンであれば、ヘドンのクレージークローラーやフレッドアーボガストのジッターバグといったルアーがすぐに思い浮かぶことだろう。また、トップウォータープラグ以外にも浮力の強いクランクベイトで昆虫の波紋を再現したり、フライフィッシングでバッタや小型の甲虫をイミテートしたりと、先人たちは様々な角度からこの釣りを作り上げてきた。
しかし今日私たちが口にする「虫パターン」には、それらとはまた少し違ったニュアンスがある。いわば、より緻密に、よりリアルに虫たちを表現した“ジャパン・オリジナル”。そしてその広がりの過程には、常にメガバスの存在があった。

HISTORY GRIFFON ZEROからSIGLETTへ

メガバスが最初に手掛けた虫型ルアーはクランクベイト。そう、あの名作、グリフォン・ゼロである。2003年、圧倒的釣獲率で一世を風靡したグリフォンをベースに、アイティーオーがハードコアチューンを施したグリフォン・ゼロは、その名の通り水面攻略に性能を特化させた表層系クランクベイト。オリジナルで45.0mm、ベビーで37.8mmという一口サイズのシルエットに、カナブン、タマムシ、シケーダなど虫を強く意識したカラーリング、それに加えて自然な着水音と水面で騒々しく悶える動きは落下昆虫そのもの。野池やリザーバーのスレたビッグバスを次々に仕留める実力は、まさにメガバスの虫系ルアーの原点といえた。

グリフォン・ゼロから4年、ますます加速する虫パターンのムーブメントのなかで2007年に発表したのが、パガーニの第3弾となるシグレ(36.5mm、3/16oz)だ。グリフォン・ゼロが甲虫類を連想させたのに対し、シグレは完璧なセミのアンドロイド。当時、デザイナーの伊東由樹自身が「虫時代の最終兵器」と表現した傑作は、本物のセミと錯覚するほど精巧なフォルムに半透明のエアロフレックス素材によるウイングを装備し、無防備に落下するセミの質感と柔らかな波紋をリアルに再現。それどころか“仁丹玉”と呼ばれる極小のラトルボールとカーボンラトルを内蔵し、アクションの強弱に応じて二通りの音を演出。ともすればインパクトに欠けるサイレントな虫系ルアーの弱点をも克服し、サウンドインパクトをもたらした。

当時、ソフトルアーによる虫パターンへのアプローチも加速するなかで、伊東がハードルアーにこだわった理由の一つがこのアピール力。ソフトルアー禁止のレイクにおいても使用可能で、風や濁りのなかでもしっかりと存在感を主張するシグレは、条件を選ばない“虫パターンの切り札”としてその能力をいかんなく発揮したのである。
メガバスはこの勢いを駆って、翌年の2008年にグランドシグレ(42.5mm、1/4oz)を追加。ベイトタックルでの扱いやすさを視野に入れたこのモデルには、大型のダブルフックを搭載。フッキング性能を高めると同時にスナッグレス性も大幅にアップし、カバー周りのビッグバス狙いにも大きな成果を挙げたのである。

マッチザベイトとしてのバリエーション

精巧なフォルムとリアルなウイング。浮かべておくだけでもバスを狂わせるポテンシャルを秘めた虫系ルアーだが、シーズンを通して使う間には、この切り札をもってしてもバスに見切られるシーンが訪れる。その原因のひとつが微妙なサイズ感、いわゆるマッチザベイトである。

セミやバッタ、甲虫類など雑多な虫がランダムに落下する状況は別として、特定の虫がまとまって落下するとき、バスはカラーよりもそのシルエットに対して非常にセレクティブな一面を見せる。セミパターンではこれがとくに顕著で、ハイプレッシャーレイクのビッグバスほどそのサイズをシビアに見極めているふしがある。
2016年、そんなシビアなシーンを見据えて新たにラインナップされた“タイニーシグレ”(30.0mm、2.7g)は、そのパズルを埋める最後のピース。大型のセミを捕食しているときに有効なシグレ、グランドシグレに対して、タイニーシグレは春ゼミ、ヒグラシなどのスモールシケーダを選んで食っているときの必殺ルアーとなる。言い換えれば、このマッチザベイトがハマった場合、食ってくるのはよりセレクティブなビッグバス。小さいシグレ=小バス狙いではないのである。さらにこのサイズの登場によって、北国のアングラーたちはある情景を想起することだろう。「落下昆虫を捕食するサマーパターンのビッグトラウトゲーム」にジャストフィットするのが、タイニーシグレだからだ。

そして2016年にはもうひとつ、鉄壁のメガバス虫軍団を構築するためのルアーとして、ビートルX“ホバクロ”もデビュー。このルアーはシグレよりも増したボディ体積と、比重を高めたエラストマー素材によるウイングの採用によってロングキャスタビリティ性能を高め、より遠くのオーバーハングを狙い撃つことが可能。さらには、圧倒的な水面撹拌力による“ハイピッチ・ホバリング・クロール”アクションによって、ピンスポットのみならず広域ウィードエリアの水面や、マットカバーの隙間に出現するオープンエリアなどを、横に広く引き倒してバスを誘い出すことも出来る。いわば、リアルなカナブンの形をした“止めても沈まないバズベイト”なのである。

“世界一妖艶な蝉”のキャッチフレーズから10年のときを経て、オリジナル、グランド、タイニーの3サイズにビートルXまで加わった鉄壁のラインナップ。もはや、いついかなる場面においても、メガバスの虫パターンに死角はない。

LINE UP

GRAND SIGLETT

  • LENGTH : 42.5mm
  • WEIGHT : 1/4oz.
  • OTHER : ¥1,650

本物のセミをしのぐ刺激にこだわった絶妙なサウンドチューニング。
共鳴音を生みだすバルキーな「ラトルチャンバーボディ」が、「ジジコ・ジジコ…」と消え入るような渋鳴きを演出。タダ巻きでも刺激的なクロウルベイトとして活躍。
ダブルフックをセットアップ。オーバーハング・カヴァーの最奥にアプローチ可能です。ヘビーブッシュなど、込み合うカヴァーではフックを上向きに、タフな状況下でのフッキング重視の場合は下向きにセット。

SIGLETT

  • LENGTH : 36.5mm
  • WEIGHT : 3/16oz.
  • OTHER : ¥1,600

軽妙な動きを追求し「センターフックバランス」によって、1フックによるフックアップ率が劇的に向上。「水をやさしく弾き返す低弾性ウイング」の絶妙な開閉動作を高速化させ、微細波紋を発生。STOP & GOのみの操作でもバイトが多発。
かつてなかったウイングアタック音を求めてデザインされた「カウルウイング」が生み出す、攪拌音がミックスしてアピールする、特異なしぐれサウンド。

TINY SIGLETT

  • LENGTH : 30.0mm
  • WEIGHT : 2.7g

SIGLETTのダウンサイジングモデル、タイニーシグレは、水面をもがく春蝉をリアルにイミテートしたマイクロ・クローラーベイト。ステディリトリーブでは羽根を交互に動かしながらのハイピッチ・クロールアクション、シェイキングではエラストマー素材のウイングから発生する微細な波紋でターゲットを誘う。また、浮力を極限まで抑えたスローフローティング設計によって、繊細なバイトを弾くことなく、高いフッキング性能を実現。

BEETLE-X HOVER CRAWL

  • LENGTH : 41.5mm
  • WEIGHT : 1/4oz.

数々の“虫食い”モンスターを魅了してきたビートルX。
ビートルX「ホバクロ」は、その見た目、アクション、サウンドといったアピールポイントすべてのインパクトをさらにリアルスペックアップ。
軽比重・低弾性AIRウイングをリファインし、高次元のレスポンスで水面を浮上滑走(ホバリング)しながら攪拌するハイピッチクロールアクションと、ラフウォーターにおける卓越したスタビリティを実現。Φ6.0mmスティールウェイトラトルに加えてグラスラトルを追加し、水中に響くロートーンと瀕死の虫を思わせる繊細なハイトーンのハイブリッドサウンドにチューニング。虫特有の甲殻、起毛などの質感を再現するため、さらなるリアルフィニッシュを施し、ただそこにあるだけで独特の存在感を放つ。

スペック一覧

ModelLength(mm)WeightPrice
GRAND SIGLETT42.5mm1/4oz.¥1,650
SIGLETT36.5mm3/16oz.¥1,600
TINY SIGLETT30.0mm2.7g¥1,480
BEETLE-X HOVER CRAWL41.5mm1/4oz.¥1,800

DESIGNERS VOICE

「ビッグバスを狙って浮かせるそれがハードベイトのアドバンテージだ」 伊東 由樹

グリフォン・ゼロからシグレに至る過程では、自社・他社を問わずソフト素材の虫系ルアーが次々に開発されていましたが、私がそのタイミングでハードルアーのシグレを開発したのには理由があります。当時私が考えたソフト素材の弱点は、小さくてよく釣れる反面、小型のバスも同じように食ってきてしまうこと。つまり、釣れるバスのサイズを選べなかった。ビッグバスを意図的に水面まで誘い出すには、ハードベイトのもつアドバンテージがどうしても必要だったのです。
虫パターンの基本はシェイキングして使うことですが、このときにハードベイトが生み出す波紋がひとつのキー。さらに柔らかなウイングによる水面の撹拌と、内臓ラトルによる音の変化。この三つのファクターを満たすことが、水面にビッグバスを誘い出すカギであり、シグレ開発のコンセプトでもありました。繊細さのなかにも多様なインパクトを融合させることで最強の虫になる、そう考えたのです。
このルアーが活躍するのは梅雨時から台風が通過する秋まで。当然、フィールドテストにおいては急な雨による増水や濁りなど、バスがルアーを見つけにくい条件もありましたが、そんなときでもシグレは大型を水面まで引き寄せてくれた。あくまでも自然で繊細な存在感とインパクトを持ち合わせ、なおかつその強弱をアングラーの意思で自由にコントロールできる。それがシグレの強みであることを確信する瞬間です。
さらに、新たに開発したビートルX“ホバクロ”は、水面上をやや浮上(ホバリング)して広域のトップウォーターをハイピッチクロールでチェックするのが得意なルアー。私はリアルなフローティング・バズベイトとして、このルアーを開発したのです。
通常のバズベイトは、広域のサーチ能力に優れますが、ここぞ!というピンスポットで止めて、ディープの魚を待って浮かせる“間”を生みだすことは出来ません。しかしビートルXならピンスポットでポーズさせ、魚が浮上してロックオンする“間”を演出することができるのです。
ではこれらをどう使い分けるか。出しどころはどんな時か? シグレを使う際は水面の一点でネチネチ誘うことが基本。そういう意味ではポップXとも共通する部分があります。もちろん、連続したリトリーブも効果的ですが、私の場合はオーバーハング奥のピンスポットはシグレでネチり、広く探るときはビートルXという感じで使い分けています。アングラーのいかなる演出にも応えるメガバスの虫、ロッドワークとリトリーブを駆使してテクニカルに使いこなしてほしいですね。

MOVIE

メガバスムービー SIGLETT 伊東由樹
MEGABASS MOVIE #150
小森嗣彦プロが教える初夏の檜原湖攻略
新形状ウィング!ビートルXホバクロ誕生!!
究極的 虫ルアーTINY SIGLETT!
初夏の野尻湖でスモールマウスバスを完全攻略!by野村俊介

SHOPPING